写真を撮りながら・・・レンズで見る形と色彩

アーチーズ国立公園、ブライス・キャニオン国立公園
ザイオン国立公園、アンテロープ・アイランド州立公園

ユタ州

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ユタ州のアーチーズ国立公園、ブライス・キャニオン国立公園、ザイオン国立公園、アンテロープ・アイランド州立公園を回った。思いがけず現地の野生動物と共に、各地の奇観の写真を撮ることができたが、地学的な興味は尽きなかった。


 

アンテロープ・アイランド州立公園
ユタ州ソルト・レーク市に隣り合わせたソルト・レークの中にある、アンテロープ・アイランド全体が州立公園になっている。
特に見るべき奇観があるわけでもないが、600頭居るというバイソンの群れやプロング・ホーン、鹿やコヨーテに会える。

プロング・ホーン(えだづのれいよう)

アンテロープ・アイランドは海より塩辛いソルト・レークの中にある島で、背の高い木はもちろん潅木もあまり生えていない。何匹ものプロング・ホーン(Pronghorn Antelope)が広い草原を走っていた。この固体は幸いにも200mm+1.4xで届くところまで来てくれたが、北米の西部地域に特有の動物だという。

アメリカン・バイソン(アメリカ野牛)

塩分濃度の高いソルト・レークの水辺は、塩が析出して雪が降ったようにも見える。こんな水辺をアメリカン・バイソン(American Bison)の群れが移動していたが、何百頭も次々に歩いてくる様子は壮観だった。子供も混じった集団はただひたすら同じ方向に歩いていたが、餌場の草原に向かっているようだ。絵になる光景だった。

 

草を食べるバイソン

草原に着いて草を食べる一頭に近づくことができた。動作は緩慢でもその体は大きいし、一時絶滅の危機に瀕し保護されていてもしょせん野生で、走るのも早いというから注意は必要だ。小さい目でウッと睨まれると、それなりに威厳のある顔だ。

アスペン・ポプラに休むみみずく

アスペン・ポプラ(Quaking Aspen)はこの辺りに多い木だが、アンテロープ・アイランドの昔の牧場跡に生えたアスペンの高い枝の上で、このみみずく(Great Horned Owl)は休んでいた。EOS 5Dでは、200mm+1.4xでもトリミングしないと無理な距離だった。

アーチーズ国立公園
アーチーズ国立公園は、有名なグランド・キャニオンを流れるコロラド川の上流近くの、ユタ州内にある。
グランド・キャニオンの中心から北東に450km程の所で、大地の侵食によって出来た奇観公園だ。

パーク・アベニューの岩壁

パーク・アベニューの谷には、薄いが巨大な岩壁が立ちはだかり、谷底から見上げると、その威容に圧倒される。

オルガン岩(手前)とバベルの塔

コートハウス・タワーズにはオルガン岩やバベルの塔、立ち話三人組やひつじ岩などと呼ばれる巨岩塊が立ち並ぶ。。

バランス岩

左のバランス岩(Balanced Rock)は、侵食されるクビレ部に辛くも残ったという風情でバランスを取り続け、もう何万年になるのだろうか。いずれは崩れ落ちる運命だが、まだ暫くは頑張るだろう。

デリケート・アーチ

公園を車で3分の2位入ったウォルフ牧場から、徒歩で3kmほど岩山を登るとデリケート・アーチ(Delicate Arch)に着く。ここはアーチーズ国立公園の中でも有名な場所で、往復1、2時間歩いても訪れる人は多い。

 

ブライス・キャニオン国立公園
ユタ州の南西の端にブライス・キャニオン国立公園がある。ここも大地の侵食で出来た奇観公園だ。

サンライズ・ポイントからの眺め

この公園は、尾根の東側に侵食による奇観が出来たという地形だ。数億年にも亘る何層もの堆積や、隆起や陥没などがあったのだろう。そんな層状の地形が侵食され、こんな奇観が出来上がり、その侵食はまだ続いている。

頭巾をかぶった僧のような塔岩

サンセット・ポイントの近くだった記憶があるが、頭巾をかぶった僧が立っているような形だった。一般にこんな錐形の塔をフードゥー(Hoodoo)と呼ぶらしいが、良く見れば色々なフードゥーが見える。

インスピレーション・ポイントからの眺め

大小さまざま、色とりどりのフードゥーが無数に見える。時代時代の堆積に、主要なミネラルがその成分を変えた事により発色が違っているが、左側の壁面にその変化を見ることが出来て興味深い。

侵食・塔成型過程がよく分かる

壁面に横穴がいくつも出来、周りが侵食され、独立した塔が出来てゆく。この壁面はフードゥーを形成中だが、独立フードゥーになるまでまだ何千年もかかるのだろう。自然は彫刻師でもあり芸術家だ。

ザイオン国立公園
ザイオン国立公園は、ユタ州の最南西端で、ブライス・キャニオン国立公園の西隣にある。
ビジターの多いザイオン谷と、それを取り巻く山地から成るが、これらは2つの別世界だ。

ビジター・センターのある、谷の入り口

ザイオン谷の主要部分は深く切れ込み、広い場所が無いので、ビジターは各拠点に無料バスで行くことになる。各拠点からは、夫々のハイキングルートが延びている。

シナワバ・テンプルから谷に入る

バス停の最奥地、シナワバ・テンプル(Temple of Sinawaba)から更に奥の谷に入る道は、両側に屏風岩が立ちはだかり、昼間でも薄暗くなる。

窓が開かない未完成アーチ

ザイオン谷から分かれ、車で9号ハイウェーを東に進むと、トンネルを潜り、山を登り、別世界へ出る。ザイオン谷の周りに立ちはだかる山々と同じレベルになるのだが、地層的には砂岩地帯という景観で、谷の中とは全く違う。上部には、窓が開かない未完成アーチが見えた。しかし、何故アーチを形成する下部の窓が先に出来てゆくのか、門外漢にはよく分からない。ストレスが解放される過程で割れ目が出来、崩れてゆくのだろうか。

野生の若いオスの大角ひつじ

この日は全くラッキーだった。やぶ影で左の写真を撮影していると、思いもかけず野生の大角ひつじ(Bighorn Sheep)の群れと出くわした。これはオス、メス、子ひつじ合わせ10数匹の群れだ。時々車は通るがあまり人が来ない場所だったから、彼らは撮影者の接近を許してくれた。しかし慌てて付けた200mmでは、トリミングしないいとここまで届かなかった。+1.4xも取り出して付ける手間を省いたのだが、誠に残念。

 
 
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