写真を撮りながら・・・レンズで見る形と色彩 サンディエゴのダウンタウンにあるリトル・イタリーは、古くこみいった地域を再開発し、観光の町によみがえらせる再開発プロジェクトで完成した。 サンディエゴの歴史を語る古い建物は保存しつつ近代的な町並みが出来上がり、スペイン風のいろどりとは全く違った、いわゆる「リトル・イタリー」のコーナーである。 サンディエゴは1930年代の初頭から1970年代の終わりまで、その水揚げ高と処理量が世界第一を誇るマグロ基地として君臨した。 ポルトガルやイタリヤからの移民がその中心だった。この一大マグロ基地は第二次大戦後、日本の水産業の世界進出と、イルカや鯨など海洋哺乳動物保護法の規制の影響をもろに受け、急速に衰退しほとんど消え去った。 そんなマグロ漁業に従事したイタリヤ系移民の家族たちがこのあたりに住んでいたが、市と一体となって地域の再開発を成功させた。1999年にインディア通りに建てられたこのアーチは、イタリア系アメリカ人の住む地域を象徴する看板だ。 インディア通りとデイト通りの角にある小さい広場プラザ・ビラージオはリトル・イタリーのほぼ中心だ。近代的デザインのユニークな建物はこの地域独特のデザインで、ひときはカラフルな装いが人目を引く。 このあたりは少し高台になっているから、サンディエゴ湾を見下ろすよい場所だった。しかし再開発はこんな景観を奪っている反面もある。 この地域にあるレストランは勿論ほぼイタリアンだ。通りに面してテーブルを並べ、花を飾った席がいくつもある。こんなレストランは、サンディエゴにまだマグロ基地が繁栄していたときからの老舗が多い。 サンディエゴ市は、そのダウンタウン再開発プロジェクトの中に古い家の保存も考慮してある。リトル・イタリーの地域にもそんな古い民家がきっちりと手入れされ、ユニークな形を保って保存されている。 こんな家々は周りの高層ビルの隣にあってもその存在感を強く主張し、よく手入れされた庭ではアジサイやバラが咲き、朝顔の巻きついた塀があったりと古くから住む人の気配を強く感じさせる。 サンディエゴ市内を走る観光バスもここに立ち寄る。25ドルの1日観光乗車券を買えば好きな停留所で乗り降りできるから、ランチはイタリアンでということも簡単に出来る。 <"時に珍しい乗り物も来る。男性の押す乳母車は珍しくもないが、黄色の三輪スクーターははじめてみる物だった。 コメントは「リトル・イタリー」と題し、gdolboysdg@aol.com までメール下さい。 |